企業研修としてはめずらしい「防災」をテーマに
今回の防災ビジネスキャンプは、「キャンプはボウサイ」、「キャンプ市場活性化」に力を入れている新潟県(産業労働部産業政策課・長岡地域振興局企画振興部)から、企業の社員さんを対象にしたキャンプと防災をテーマにしたプログラムを開発できないかという相談から始まりました。
アウトドアでの知識や技術は防災に活かせるものが多く、私たちも様々な形の事業を実施していますが、その対象はこどもや親子が多く企業研修として防災というテーマを取り入れてる事例はありませんでした。
BCPなど企業そのものの防災ではなく、社員さんの防災力アップとビジネススキルアップの両立をはかる企業としてメリットのある研修ができないか?
事業を始める前にかなり難しいテーマであることを確認しながらも、やったことがないことに挑戦してみましょうということで、「企業×アウトドア×防災」のプログラム実証を行いました。
結果的に、災害時やビジネスシーンで役立つスキル(チーム力、レジリエンス力、ブリコラージュ的思考)を体験的に習得できる1泊2日の企業研修プログラムとなりました。
「ないものねだりをしてもしょうがない。目の前にあるもので成果をあげるしかない。これは災害時ビジネスでも同じ」という考えのもと、スポーツチームビルディング、シェルターづくり、火起こし、チーム対抗夕食づくり、ナイトハイク、たき火ダイアログ、アイラップ調理などを4人組のチームで行いました。私たちの想定以上に真剣に課題に向き合いながら、短い時間の中でチームとして活動をつくっていく参加者のみなさんの姿が印象的でした。
2回の実証で、13社20名の方にご参加いただきました。アンケートにもご協力いただき高評価をいただくとともに、企業人としての視点を踏まえたプログラム改善の助言をいただくこともできました。新潟県のサイトに実証報告の詳細、アンケート結果があげられていますので興味のある方はぜひご覧ください。
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/sangyoseisaku/bousai-businesscampprogram-result.html
ホールアース自然学校では、自然学校が持つ野外技術やコミュニケーション能力は災害時にこそ役に立つという考えのもと、阪神淡路大震災以来、大きな災害が発生した際は組織としてスタッフを現場に派遣しています。これからもそのような現場で得られた知識や技術も踏まえた新しいプログラムを開発、実施していきたいと思います。
担当:遠藤