全国各地から集まった同世代の仲間たちと、自然体験を楽しみながら環境教育の場で活躍できるスキルを磨いていく「WENSリーダーズ」。
ホールアース自然学校では、自然の魅力の伝え手や自然環境問題の解決を担う人材を養成するために、交流や研修の機会を作っています。
6月のWENSリーダーズでは、湧水の恵みウォークや里山テントサウナ、NEALリーダー認定試験を実施しました。
自己紹介では、「なぜここに来たのか」「最近ハマっていること」「こう見えて○○が得意なんです!」といった話題で盛り上がり、アイスブレイクを通じて、参加者同士が自然に打ち解けられるよう工夫しています。
講義では、私たちが自然豊かな地域に暮らす当事者だからこそ、自然学校として取り組んでいる活動を紹介し、自然体験への想いを余すところなくお伝えしました。


座学だけでなく、実体験から学ぼう!ということで、
今回は、自然の素材に触れながら学べる「ネイチャークラフト」を体験しました。
スタッフから、刃物の正しい扱い方や、安全に作業するためのポイントを教わりながら、木の板から“木べら”を作成。
手仕事が得意なスタッフ・浅子(あなご)はスイスイと削っていくのに対して、ノコギリの刃が思うように入らなかったり、木目の向きによって削りやすさが変わったりと、なかなか一筋縄ではいきません。
「木目の向きによって削りやすさが違う」
「くびれができちゃった!」
黙々とナイフで削りながら、ポツリポツリと会話が生まれ、参加者同士で語り合う時間にもなったようです。
実際に自分の手で道具を使ってみることで、初めてわかる難しさと面白さ。
昔の人は、身の回りのものを自分で工夫して作っていたんだなあ、とその知恵と手間に改めて感心します。


手作りの木べら完成!

お互いの木べらを見せ合いながら、体験の感想を伝え合う時間を作ってみました。
「ものづくりに没頭したのは久しぶりだった」
「ナイフやノコギリを小学生ぶりに使った」
「小中学校の頃は苦手だったけど、やってみたら楽しかった」
「このくびれがあることで持ちやすいかも!」
「作りながら、形が丸い方が可愛いとか、使い勝手を考えて角度を工夫したり、楽しかった」
材料や作り方は同じでも、それぞれの“らしさ”が現れるのは、手作りならではですね。

夕食の準備では、自分で火を起こしてご飯を炊く、「飯盒炊飯」にチャレンジしました。
ナタを使って薪を細く割ったり、木べら作りで出た削りカスを焚きつけに使ったりしながら、ホールアース流の火起こし、飯盒でのご飯の炊き方を学び、実践しました。


飯盒をあける時はドキドキ…!
直火ならでは、おこげもできて上手に炊くことが出来ました!


夕食はキャンプの定番であるジビエカレーです。
みんなで飯盒で炊いたご飯にたっぷりとルーをかけていただきました。
ホールアース自然学校では、「食」にもこだわりがあります。
地域の農家さんが育てた“顔の見える”食材を可能な限り使用し、富士山麓で獲れた鹿肉(富士山麓ジビエ)や、無農薬で栽培された野菜(ホールアース農場)などを料理に取り入れています。


今回、カレーやサラダを作っていただいたホールアース農場の方から、「食べる人のことを考えて野菜を切る大きさを工夫したり、美味しくな~れと真心こめて作っています」とお話していただきました。
食材の背景や生産者の思いに触れることで、「食べる事」からの学びや豊かさへの気づきも大切にしています。
その後はキャンプファイヤー!ならぬランタンファイヤー!
雨だったので、急遽室内で開催しました。
スタッフが渾身のネタを披露し、参加者とランタンの明かりを囲んで盛り上がりました。
全力でやるからこそ、思いきり楽しめるんです。


夜は、スタッフとの懇談や、参加メンバー同士の交流の時間となりました。
猟師でもあるスタッフ・浅子(あなご)が獲った鹿肉を低温調理でしっとりと仕上げたロースト鹿や、ホールアース農場の野菜を使ったおつまみを味わい語り合う、ゆっくりとした時間。
これから就職活動の学生は、先輩からアドバイスをもらったり、スタッフからこれまでの人生経験の話を聞いたり。巡り合った仲間との親睦を深めていました。

二日目は、朝ごはんを食べたら、「川の探険」に出発!
車で30分ほど向かったのは、富士山の湧水が溶岩層から湧き出す「陣馬の滝」。
川に足を入れた途端、「わっ!冷たい!」「気持ちいい〜!」と思わず声が出るほどの冷たさでした。水温は一年を通して12℃前後だそうです。
水質を判断できる指標生物も探しつつ、タモ網でガサガサと生きもの探しもしました。
カジカやカゲロウの幼虫など、さまざまな川の生きものを見つけることが出来ました。


お昼ごはんは、富士山麓で獲れた鹿のボロネーゼパスタ。
「お肉がジューシー!」「美味しすぎる~」と大好評でした。

午後は、富士山の恵みで汗を流す「里山サウナ」を体験。
富士山麓の森で間伐した木を薪ストーブで燃やし、富士山の溶岩を熱します。
ロウリュ(熱い石に水をかけて蒸気を出すサウナの手法、またはその水のこと。)には、静岡で採れた緑茶とほうじ茶を使います。
サウナで熱くなったら、富士山の湧水から成る芝川でクールダウン。これぞ、富士山の恵みづくしの「里山サウナ」です。


「緑茶とほうじ茶の香り、めっちゃする!いい香り♪」
「久しぶりにこんなに汗かいた!案外耐えられるかも」
「整ったわ〜老廃物全部でた!」
「銭湯やサウナの施設で入るより気持ちがいい!」
残念ながら芝川へは前日の雨で増水して入れませんでしたが、
外の水シャワーとデッキで涼み、リフレッシュ~♪
すぐ近くを流れる川の音、鳥のさえずり、頭上に広がる緑に包まれるような感覚が広がり、
心も体も整いました。

最後に、「自然体験活動指導者(NEALリーダー)」として資格認定を受けるべく、認定試験を行いました。
これからも、安全で楽しく、学びのある自然体験の場づくりに力を発揮してくれることを期待しています。


ということで、2日間、盛りだくさんのプログラムでしたが、参加者同士が自然の中で共に学び、笑い合い、挑戦することで、かけがえのない経験となったようです。
自然体験や環境教育に対して熱い想いを持った学生さんたちが、全国から集まり、和気あいあいとした雰囲気の中で開催することができました。
今後、このWENSリーダーズの仲間たちには、キャンプ等でのサポートをしてもらったり、仲間たちで思いっきり自然体験をしたりと様々な活動していきたいと思います。
自然の中で学び、成長し、仲間と共に貴重な経験を積める機会です。
ぜひ一緒にチャレンジしてみませんか?
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担当:堺