朝晩冷え込み、早朝は霜が降りる季節になりました。
今回の里山のようちえんのテーマは「にわとりの屠畜とみそ作り」
ホールアースが昔から大事にしている“いのちをいただく”プログラムです。
1日目、まず最初はホールアースの敷地内を散策です!
干し柿が干されていたので、ちょっと味見したり、


猟師でもあるスタッフのあなごが、鹿や猪や熊のはく製を見せてくれたり、

広場に植わっているみかんの木に実がなっていたので味見してみたり(めっちゃすっぱい)、

ヤギのチャイくんにあいさつして、みかんの皮をおすそ分けしたり、

犬のサトと展望台までお散歩したり、


他にもウバユリの種を飛ばして遊んだり、のんびり冬の里山を楽しみました。
さて、お次は味噌作り!
最初に、「市販の味噌」「去年の里山のようちえんで作った味噌」「一昨年の里山のようちえんで作った味噌」「もっと前に里山のようちえんで作った味噌」の4種類を食べ比べてみました。

色や風味の違いを味わったところで、4つの中でどれが一番好きだったかを聞くと、「去年里山のようちえんで作った味噌」が一番の人気でした!
そして、「お味噌はどんな風にできるの?」という話も。材料は、大豆と、塩と、米麹。「麴菌」という“いい”菌のおかげで、味噌ができるんだよ、というお話をしました。


さて、お味噌の材料がわかったところで、今度はみんなで大豆を潰します!これがなかなか大変です。ちゃんと、潰せば潰すほど美味しいお味噌になります。


続いて、米麴を混ぜ合わせます。


混ざったら、今度は空気が入らないようにぎゅっぎゅっとおだんごを作っていきます。しっかり詰めたらできあがり!(でも食べられるようになるのは来年です)

2日目、朝は動物のお世話から始まります。お散歩が大好きなサトは、みんなが来ると大喜び!

朝日に照らされながら、霜が降りた里山を歩きます。

ヤギのうんちもしっかりお掃除!

動物たちにごはんをあげた後は、自分たちの朝ごはんです。
朝ごはんは、ロースト鹿のサンドイッチ!ホールアースでは、ローストビーフではなく、ロースト鹿がよくメニューに出てきます。


しっかり朝ごはんを食べたら、いよいよ“いのちをいただく”プログラムです。
「生きている」ってどういうことだろう?
まずは、自分たちの脈拍を聞いてみました。ドク、ドク、と聞こえます。

そして、いただくにわとりさんたちを運びます。


それから、にわとりの脈拍も聞いてみます。人間とどう違うでしょうか?


そして、いのちをいただくときがやってきました。
もし、「かわいそうだから見たくないよ」という人がいたら、無理には見てもらいません。手伝いたいという子どもたちと共に行います。

にわとりの動きは少しずつ弱まり、とさかの色が変化して、いのちの灯がゆっくりと消えていくのを感じました。
再び、鼓動を確認してみます。
音は聞こえませんでした。

さて、今度は食べられるように捌いていきます。むね肉、もも肉、手羽先、ささみ、いつも見ているお肉は、こんな風についているのか!という発見の連続です。



捌いたお肉は焼き鳥に、食べれない部分は鶏がらをとってスープにして食べました。




お店で売られている鶏肉は、短期間で育て大きくなったにわとりたち。その方が、柔らかくて美味しい。普段ヘルシーな食べ、よく動き回っていたホールアースのにわとりたちのお肉は引き締まっていて、なかなかの噛み応え。食べるのに苦戦している子もいましたが、その分たくさん噛みました。
「かわいそうだけど、美味しかった」という子も。
みんな、色んな生き物のいのちをいただいて生きているんですね。
実は今回のこの「にわとりの屠畜」、ホールアースで行うのは最後になります。
というのも、ホールアースとしてにわとりを飼い続けることが難しくなってしまったからです。
にわとりを飼う決まりが厳しくなってしまったため、ホールアースらしい放牧スタイルの飼い方はできなくなってしまいました。
創業から今まで、ホールアース自然学校は、長い間にわとりを飼ってきました。
ホールアースの敷地内でにわとりがトコトコ歩いている姿は日常の風景でした。
キャンプの時には、料理で出た野菜くずなどを食べてくれました。
産みたて卵を見つけて感動してスタッフに持ってきてくれた子どもたちは数知れず。
早朝にわとりが鳴いて目が覚めて困った!という経験も、今となってはいい思い出です。
そんな、にわとりがいる日常も、今月でおしまいです。
色んな生き物たちのいのちをいただいて、自分たちは生きているということを、頭でわかっていても実際に感じること、考えることは少ないのではないでしょうか。そんなことを、頭の片隅で忘れないようにさせてくれていたのが、にわとりたちの存在だったと思います。
にわとりがいなくなっても、そのつながりを忘れないようにしたいです。
次回、2月の回は「猟師体験とジビエ料理」をテーマに2026年2月14日(土)~15日(日)の1泊2日で行います。
※枠は残りわずかとなっております。
里山のようちえんは偶数月に開催しています!(詳しくはこちら)
今回のキャンプの実施概要はこちら
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担当:小野
