【実施報告】富士山冒険学校

これまでホールアースの子どもキャンプに何度も参加した子どもたち向けに行っている“富士冒”。
「富士山」という大テーマは変えずに、毎年趣向を凝らして実施しています。
今年度は、日本一高い山をまたにかける「富士山縦断登山」をメインに、10日間のプログラムを行いました。

1日目(7/28)
各地から、10日間をともに過ごす仲間たちが集合。
ホールアースに到着後、まずは顔合わせの昼食会です。

持参したお弁当を食べながら、
「去年も一緒だったね!」
「どこから来たの?」
と早速会話がはずみました。

オリエンテーションでは、9泊10日のスケジュールを確認。
自己紹介とあわせて、どんな富士冒にしたいかを発表しました。

「みんなと仲良く過ごしたい!カヤック・サイクリングが楽しみ!」
「がんばって富士山に登頂して、山頂からのご来光を見たい!」

その後は富士山本宮浅間大社を見学。

スタッフの出すクイズで富士山の神様について学んだり、

湧玉池の澄んだ湧水にふれたりしました。

ホールアースに戻ったら、おやつの時間。
“大きな子ども”(スタッフ)特製のほうじ茶ゼリーは大人気なようで、おかわりする子が続出しました。

続いて作戦会議。
期間中に行う選択活動を、子どもたち自身で話し合って決めます。
「川遊びやりたいなー、でも野遊びもしたい!」
自然と進行役が立ち、意見をまとめながら決定していきました。

さらに予定を少し変更し、早速1つ目の選択活動「バードコール作り」に挑戦。
富士山麓にすむ鳥たちの話を聞いた後、鳥を呼ぶ道具「バードコール」を作りました。

木片とねじを組み合わせて音を出す仕組みですが、ねじを入れるのがなかなか大変。
力を込めてねじを回し、削りかすを取り除く作業を繰り返すうちに、少しずつ「キィー、キィー」と音が出るようになりました。

最後に3種類の音を練習し、それぞれオリジナルのバードコールが完成しました。

夕食は定番の鹿ジビエカレー。
「ホールアースに来たらやっぱりこれ!」と笑顔でいただきました。

2日目(7/29)
この日も朝から快晴。

朝食前にはくじ引きでグループを分け、動物のお世話とご飯作りのどちらかに取り組みました。

ご飯作りの子どもたちは、デザート用のブルーベリーを収穫。

午前中は、選択活動。
鹿革クラフトとたい焼き作り・下サイトの探検を行いました。

鹿革クラフトでは、まず富士山麓で増えすぎているニホンジカのことや、人と野生動物のつながりについて話を聞きました。

「ざらざらしてるね」「ここは毛が白いからお尻かな?」と、実際のシカの皮にも触れてみます。

その後、作り方を教わりながら鹿革のキーホルダー作りに挑戦。

「三つ編み、これで合ってるかな?」と試行錯誤しつつ、約1時間で完成!
同じ鹿革を使っていても編み方や仕上がりはそれぞれ違い、個性あふれる作品となりました。
身につけるたびに、富士山麓に生息するシカのことを思い出してもらえたらうれしいです。

鹿革クラフトを終えたら、下サイトへ移動し「たい焼き作り」と「探検」に分かれました。

たい焼き作りは、スタッフ目杉(たいやき)にちなんだ(?)特別プログラム。
生地を混ぜ、型に流し込み、好きな具材を入れていきます。
この日は地元製餡所さん特製のこしあんと、スタッフ作田(ジョージ)特製のカスタードクリームを使用。

「あんこ入れすぎた!」「端っこまできれいに入れられた!」と笑い合いながら、自分だけのたい焼きが焼き上がりました。

焼き上がりを待つ間は、下サイト探検へ。

富士山の湧水が流れる芝川のほとりで足を水にひたすと「つめたーい!」と歓声。

気温が高い日だったので、最高のクールダウンになりました。

ツルのブランコに乗ったり、サワガニを探したり、水切りをしたりと、思い思いに楽しみました。

昼食は下サイトの食堂で。
自分たちで焼いたたい焼きは、デザートとして美味しくいただきました。

午後は、翌日からの富士登山に備えてのミーティング。
スタッフが用意したオリジナルワークシートで富士山について考えたり、
保全や安全登山に関するルールやマナーの動画を視聴したりしました。

また、富士山頂にある郵便局から家族へ送るため、思い思いにハガキも執筆。

「タオル忘れてた!」と気づく子もいて、服装や装備を一つひとつ確認しました。

夕方には全員で動物のお世話へ。
最後には「ヤギのチャイは何を食べた?」「犬のサトはうんちしてた?」と、動物たちの様子をスタッフに報告しました。

夕食を食べ、登山に備えておにぎり作り。
いつもより少し早めに布団に入り、明日の富士登山に向けて休みました。

3日目(7/30)
いよいよ今日から富士登山。
しかも、静岡から山梨へ縦断するルートです。
行程は「富士宮口五合目~山頂~吉田口スバルライン五合目」。
標準的なコースタイムで約9時間の登山になります!

富士山には4つの登山ルートがあり、今回は標高差約1,300m・距離約4.3kmの「富士宮ルート」を歩きます。
岩場が多いのが特徴です。

朝4時30分に起床し、スタート地点の富士宮口五合目へ向かいます。
途中の水ケ塚駐車場から見上げると、雲一つない快晴!山頂もくっきりと見え、まさに登山日和です。

車でさらに40分、標高2,400mの富士宮口五合目に到着。

朝食をとり、入山リストバンドを装着。装備を整えながら、ゆっくりと体を標高に慣らしていきます。

1時間ほどかけて体を慣らし、朝8時にいよいよスタート!
先頭はホールアース自然学校の富士登山ベテランガイド・ガッツです。

まずは地図を見て、ルートを真剣に確認。

「山頂目指してがんばるぞ!」

富士山は酸素が薄いため、高山病になりやすい場所です。
登り方のコツを意識しながら歩きます。

五合目から六合目までは溶岩で覆われたざらざらの斜面と岩場。
体を慣らしつつ40分で六合目(2,493m)に到着しました。

ここで水分と行動食を補給。
ガッツから「休憩のとり方」についてもアドバイスがありました。

山小屋では金剛杖(こんごうづえ)に焼き印を押してもらいました。

次の目的地、新七合目(2,780m)へ。
本格的な岩場が広がる区間です。

金剛杖をつきながら一歩ずつ。街並みが少しずつ小さくなりますが、山頂はまだまだ先。

約1時間20分で新七合目に到着。

水分補給、行動食、そして焼き印。元気いっぱいの様子でした。

新七合目から元祖七合目は、富士宮ルートで最も距離が長い区間。
岩場とざらざら斜面が続きます。
山小屋が見えているのになかなか近づかない「山あるある」にも直面。

それでもペースを保ちながら標高3,000mを突破!

1時間10分かけて元祖七合目(3,010m)に到着。
時刻は12時。ここで昼食をとり、エネルギーを補給しました。

行動食は甘いもの、しょっぱいもの、酸っぱいものなど様々。
特に人気だったのはラムネとこんにゃくゼリーです。

次の八合目に向かう途中、段差の大きな岩場が増え、みんなの口数も少なくなってきます。
「この区間が一番きつかった」と下山後に話す人もいました。

「少し頭が痛い気がする…」
高山病の兆候が出る人もいましたが、歩き方を再確認しながら少しずつ前進。

休憩中にはガッツから富士山の話を聞きました。
五合目~山頂を行き来するブルドーザーの話を聞きました。

やがて溶岩の壁を越え、

「エッホ、エッホ」と声を掛け合いながら1時間で八合目(3,250m)に到着。

八合目から先は富士山本宮浅間大社の境内。

鳥居をくぐり、気持ちを引き締めて進みます。

時折吹く涼しい風に励まされながら40分で九合目・万年雪山荘(3,460m)へ到着!
安堵の表情が広がりました。五合目出発から5時間30分、よく頑張りました。

山小屋ではスタッフさんの案内で部屋へ。

女子はにこにこ、男子はぐっすりと休憩、対照的な様子でした。

夕食はカレー。

みんなぺろりと完食し、「明日は一緒にご来光を見よう!」と抱負を語り合いました。

その後、美しい影富士を映しながら太陽が沈んでいきます。
翌日は夜中に出発のため、早めに就寝しました。

4日目(7/31)
時刻は深夜2時。小さな声で「おはよ~」。
少し眠さもあるけれど、みんなしっかり起きて準備を始めます。

朝ごはんを食べ、いよいよ山頂でのご来光を目指して出発!
出発は2時30分。日の出は4時50分頃。果たして見られるのでしょうか?

外に出ると、ひんやりとした空気に包まれ、吐く息も時々白くなります。
雲はほとんどなく、まさに絶好のコンディション!

下を見ればオレンジ色の夜景、上を見れば満天の星空。
「きれい…」と小さくつぶやきながら歩き始めました。

周りには、同じように山頂でのご来光を目指す多くの登山者たち。
いろいろな国の言葉も飛び交い、不思議な活気にあふれています。

歩きながらガッツからクイズ。
「山頂山小屋のカップ麺はいくらでしょう?」
「800円くらい?」
「はずれ~。正解は1000円!」
「えぇ~~!!そんなに~~!」
笑い声とともに、少し眠気も吹き飛びます。

休憩ではライトを消して星空観察。
天の川が空に伸び、流れ星も!(みずがめ座δ南流星群がやってきていたのです)
思わず息をのむ美しさに、しばしみんな無言で見入っていました。

出発から1時間ほどで九合五勺(3,590m)に到着。
山頂まであと少し!期待感がぐんと高まります。

さらに進むと空が白みはじめ、東の空がオレンジ色に。
夜景とのグラデーションは幻想的でした。

それでも山頂はまだ見えず、見えるのはライトの列だけ。
空気は薄くなり、息がすぐに上がってしまいます。
「もう少しで着くよ!」
「鳥居が見えた!あそこが山頂だよ!」

一気にテンションが高まり、午前4時14分、ついに富士宮口山頂に到着!
「やったー!」
並んで鳥居をくぐり、みんなでハイタッチ。

まずは富士山頂郵便局へ行き、準備していたハガキを投函。
日本一高い郵便局からの手紙に、みんなの想いを託しました。

登頂記念の写真を撮ったら、次はご来光。

せっかくなら富士山の最高峰「剣が峰」から見よう!と出発します。

剣が峰へは短い距離ですが、足元がザラザラで滑りやすく油断できません。
空はどんどん明るくなり、緊張感と期待が入り混じります。

20分ほどで剣が峰(3,775.8m)に到着。日の出10分前!
冷たい空気を頬に感じながら、東の空をじっと見つめます。

そして、ついに…
水平線の雲の下から、太陽が!
ゆっくりと姿を現し、眩い光であたりを照らしました。
歓声をあげるかと思いきや、誰も声を出さずにただ見つめる一同。

念願の「山頂からのご来光」。
喜びだけでなく、一人ひとりの胸に深い思いを刻んでいたようでした。

ご来光を見届け、剣が峰で記念撮影!

剣が峰のすぐ下では、一人ずつ「今のアツい気持ち」を語り合いました。
「すごくキツかったけど登れて嬉しい!」
「みんなでご来光を見られてよかった!」
「雲の下から現れる太陽に感動した!」

そして、剣が峰の反対側、吉田口山頂に進みます。

日の出でできた影富士、

南アルプスや八ヶ岳の山々を見ながら進みます。
街もくっきり見え、「ホースアース自然学校はみえるかな?」なんて会話も。

30分ほど休憩し、焼き印を押してもらい、下山の準備です。

下山は吉田口ルート。スバルライン五合目まで約7km。

下る前に、火口を見て山頂に別れをつげます。
山頂火口は直径約780m、深さ約200m。大迫力に思わず後ずさり。

山中湖や河口湖を眺めながら、下山スタート!

岩場はなく緩やかですが、ザリザリした砂地のジグザグ道が延々と続きます。
太陽に照らされ、気温もどんどん上昇。

登山前、「歌を歌いながら下りるんだ~」と楽しそうに語っていたのはどこへやら。
いつしか口数も減り、休憩では少しぐったり。

途中の下り八合目で最後の焼き印をもらい、気分転換。

それでも再びザリザリ、ジグザグ。
体力を削られ、疲労の色が濃くなります。

そんな中の会話。
「下山したら何したい?」
「お風呂に入りたい!」
その一言に全員が賛同。合言葉は「お風呂!」
一気に一致団結して元気を取り戻しました。

下山開始から3時間。長いジグザグ道を抜け、六合目に到着。

木陰で休み、笑顔も少しずつ戻ってきます。

そして出発から4時間20分。
ついにスバルライン五合目へゴール!
「やった~!」とハイタッチで喜びを分かち合いました。
最後は力強いガッツポーズで富士登山を締めくくり。

下山後はお待ちかねのお風呂へ。
汗を流し、湯舟で富士登山の思い出を語り合います。

3日間お世話になる「富士吉田市立⻘少年センター赤い屋根」に到着後は、登山道具のお手入れ。
土埃まみれの靴や靴下を水でしっかり洗い、体も心も道具もリフレッシュ。

こうして、富士山縦断登山の4日目が無事に終了しました。

5日目(8/1)
昨晩は富士登山の疲れもあってか、子どもたちはぐっすり。
朝は富士吉田市立青少年センター赤い屋根さんで朝食をいただき、プログラムの準備を済ませたら、少し自由時間です。

外から「うぉりゃー!」と元気な声が聞こえてきたと思ったら、昨日から流行っている(?)松ぼっくり投げを、全員で楽しんでいました。

青少年センターを出発してコインランドリーへ。
活動も折り返しとなるタイミングで、みんなで洗濯を行います。

洗濯の待ち時間には近くのスーパーで買い出し。
「わかめはこれがいいかな?」
「これだと多すぎない?」
スタッフの買い出しメモを見ながら、必要なものを相談し合って選んでいきました。

洗濯が終わったら、西湖へ移動!
まずはカヤックに挑戦です。パドルの使い方を教わり、いざ湖上へ。

「右、右!」
「なかなかまっすぐ行かない~」

声をかけ合いながら、少しずつ進み方のコツをつかんでいきました。

「カヤック楽しい!」
約1時間、カヤックで西湖の自然を体感できました。

湖畔の「紅葉台キャンプ場」さんで、飯盒炊爨にチャレンジ。
スタッフから飯盒の使い方や自然物を使った火おこしの方法を教わり、チームごとに調理を開始しました。

「お米こぼさないようにね!」

「この薪、割れるかな?」

スタッフチームは蒸らし中にご飯をこぼすハプニングもありましたが(笑)、1時間半ほどで全チームが炊き上げ成功。
炊きたてのご飯にスタッフ特製の豚丼の具をのせて、いただきます。

「うまい!」
仲間と協力して作ったご飯の味は格別でした。

片付けを済ませた後は、再び西湖でのカヤックへ。
午前とはメンバーを入れ替えて、今度はキャンプ場の対岸を目指します。

「右、左、右!」と声をかけ合いながらスイスイ進むチームもあれば、風にあおられて思うように進めない艇もありましたが、どの子も思い切り楽しんでいるようでした。

湖畔では、溶岩が湖に流れ込んで固まった様子も間近に観察。

「手をつないで、湖の上で輪になれるかな?」

「水切り、5回できた!」

カヤック後もしばらく水辺で遊び、西湖を満喫しました。

青少年センターに戻り片付けを終えたら、早めの夕食をとり、夜は山中湖の花火大会へ。

会場に着くと少し雨がぱらつきましたが、予定通り花火は打ち上げ開始。
花火までの待ち時間には、りんご飴やチョコバナナを買ってお祭り気分も楽しみました。

「ヒュ~、ドーン」「わーきれい!」
大迫力の花火を間近で鑑賞しました。

その後はバスで青少年センターに戻り、一日を締めくくりました。

6日目(8/2)
2日間お世話になった青少年センターを、片付けと挨拶を済ませて出発しました。

今日は一日、子どもたちが選んだ選択活動の日。

午前中は「洞窟樹海探検」へ向かいました。

青木ヶ原樹海に一歩足を踏み入れると、セミの大合唱と青々とした木々に迎えられます。

「わ!これ知ってる!」と見つけたのは、まるでエビフライのような松ぼっくり。リスがかじると、そんな形になるんです。

洞窟の中はひんやりとした空気。

懐中電灯を頼りに進んでいくと、
「真っ暗だ!」「壁がキラキラしてる!」「白いキノコが生えてる!」
と、子どもたちはすっかり探検隊に。

五感をフルに働かせながら、未知の世界を体験していました。

お昼は、富士山が見える公園でのびのびと遊びました。
いつもは森の中で活動している仲間と、公園の遊具で遊ぶのはちょっと新鮮。

「場所が違っても、みんなで遊ぶとやっぱり楽しいね♪」という声が聞こえてきました。

これで2日間を過ごした山梨県側(富士山北麓)での活動を終え、バスで静岡県側(富士山南麓)のホールアースへ。

到着すると、今日から使うテントを協力して設営しました。

「そこ持って!」「押して~」「立てるよ、せーのっ!」
と声を掛け合いながら、自分たちの力で完成させました。

夕食までの時間は川遊び。

富士山の湧水が流れる芝川はやっぱり冷たい!

水鉄砲で水をかけあったり、深いところへ飛び込んでみたり。

濡れるつもりじゃなかった子も、楽しそうな空気に気が変わって、結局びしょ濡れになっていました。

7日目(8/3)

朝はくじ引きで動物のお世話と調理サポートを分担。
数日ぶりの動物のお世話でしたが、しっかり覚えていて、それぞれ手際よく取り組んでいました。

料理サポートチームは今日みんなで食べるお弁当を詰めました。

朝ごはんを食べたら、朝霧高原へサイクリングに向けて出発です。

ヘルメットをかぶり、サドルの高さやタイヤの空気圧を調整して準備完了。
練習を終えると「さあ、出発だー!」と元気いっぱいにスタート。森を抜けて道路へと進みます。

コンクリートのデコボコ道はハンドル操作が難しく、最初はドキドキ。

それでも慎重にブレーキを使い、バランスを取りながら少しずつ慣れていきました。

お昼はつり橋の近くにあるベンチでお弁当。

外でみんなと食べると、まるでピクニックのようで「いつものお弁当より美味しい!」との声も。

午後の最大の挑戦は、長く続く上り坂。
休憩を挟みながらも、全員が力を振り絞って登りきりました!

「何度も転んだけど、あきらめずに頑張れた」
「私はみんなを応援できてよかった」
「先頭を走れて気持ちよかった!」
と、一人ひとりが達成感を語る姿はとても印象的でした。

夜は富士宮の夏祭り「宮おどり」へ。

見学だけでなく、最後の総おどりでは見よう見まねで踊ってみる子も。賑やかな夏の夜をみんなで楽しみました。

帰ってから、翌日のチーム対抗料理対決に向けて作戦会議。
テーマは「元気になれる!みんなで食べる旨いごはん!」。

「調理時間も考えないとね」
「油で揚げるのは大変じゃない?」
「主菜が中華なら副菜も合わせようよ」
「彩りも大事だよ!」

料理本をめくりながら、真剣にアイデアを出し合っていました。
果たしてどんなメニューになるのでしょうか!?

8日目(8/4)

朝、外に出てみると…なんとカブトムシを発見!
夜中にライトに寄ってきたのでしょうか。みんなで観察していました。

いつものように、朝夕の作業担当をくじ引きで決め、動物のお世話と食事作りに分かれて取り組みます。

この日のメインイベントは「料理対決」。
朝食を終えると、さっそくチームごとに昨夜に続いて作戦会議が始まりました。

「味噌汁には豆腐2丁だね」
「計量カップって使うかな?」

買い出しや調理器具の確認など、真剣に話し合います。約1時間の作戦会議を経て、街のスーパーへ。

「牛肉は結構な値段するね、予算に入るかな?」

「ネギは買ったでしょ、買い忘れはない?」
電卓やメモを駆使しながら、限られた予算で材料をそろえていきました。

ホールアースに戻ると、器具を準備して昼食を済ませ、いよいよ午後から料理対決スタート!

「これ切ってくれる?」

「ぼく、火起こしするね!」

声をかけ合い、順調に始まったかと思いきや…

「あれ?飯盒を火にかけても、なんにも反応がない」
なんと、水を入れずに炊飯してしまい、真っ黒焦げに。
「すぐにやり直そう!」と笑顔で切り替え、もう一度チャレンジ。今度は無事に炊き上げることができました。

もう一方のチームも「次、何するんだっけ?」と手が止まる瞬間もありましたが、
「次はこうだよね」と確認し合いながら、一歩一歩進めていきました。

「やばい、時間が~!」と焦りながらも、開始から4時間半後、ついに両チームが完成!

「ご来光チーム」肉野菜炒め・たたききゅうり・味噌汁・ごはん

「おこげチーム」チンジャオロース・きゅうりとコーンのマヨネーズ和え・かきたまスープ・ごはん

盛り付けを行って、いただきます!

「おいしい!」

「盛り付けを“富士山”に見えるようにしたよ!」
自分たちで作った料理を、笑顔いっぱいで頬張りました。

食後は、調理器具も含めてみんなで協力して片付け。
その後はプレゼン審査と結果発表です。

「彩りが良くなるように工夫しました」

「盛り付けもこだわって、目でも楽しめるようにしました」

工夫した点を発表し、スタッフ(=大きな子ども)が「チームワーク」「見た目」「味」「プレゼン」の4項目を5点満点で審査しました。
「おこげチームのチームワークは…ババン!5点、5点、5点、5点!」

接戦の末、僅差でおこげチームの優勝!
ご褒美は「アイスの先取り権」。

「いやー、頑張った後のアイスは格別だね~」
と笑顔で振り返りながら、冷たいデザートを味わっていました。

「初めて見た、きれい」

また、セミの羽化の様子を観察することが出来ました。

9日目(8/5)
この日は、一日活動をする最後の日。
午前と午後に、子どもたちが選んだ「選択活動」を楽しみました。

朝はもちろん、恒例のくじ引きで動物のお世話と調理サポートを分担。みんなで手際よく取り組みました。

午前中は流しそうめん。
まずは“台づくり”から始めます。

「せーの!」
掛け声を合わせ、ナタの一種である銑(セン)を使って竹を縦に割っていきます。

割れた竹は、ノミや紙やすりで節を削り、なめらかに整えます。

「めっちゃすべすべになった!」
暑さの中、1時間ほどかけてついに完成!

ちょうどそのタイミングで――
「かき氷いる人~!」とスタッフの声。
作業を頑張ったごほうびに、冷たいかき氷をいただきました。

「冷たーい!」と笑顔で一気に完食。

その後は完成した台を設置し、水を流してみます。
「おおー!しっかり流れた!」
「この辺で食べようかな」

準備が整ったら、いよいよ流しそうめん開始!

「よっしゃ、取れた!」
「あー、取れなかった~」

そうめんだけでなく、ミニトマトやキュウリ、ブルーベリーも流れてきて大盛り上がり。みんなで夏の味覚を堪能しました。

午後は、シャワークライミングへ。
ホールアース近くの川の上流に移動し、ヘルメットとライフジャケットを着けて出発!

「ここ、流れ速い!」
岩をつかみ、一歩ずつ川を登っていきます。

「ここはゆっくり流れていて、浮かぶの気持ちいいよ~」

途中では滝に打たれたり、冷たい水を全身に浴びました。
1時間ほどかけて登ると、大きな滝つぼがゴール!

滝つぼに飛び込んだり、滝登りに挑戦したりと、最後まで全力で楽しんでいるようでした。

ホールアースに戻り、夕方の動物のお世話と調理サポートを済ませたら…
夕食はみんなで囲む最後のごはん。特別にBBQです!

「このお肉、誰が食べる?」
「じゃんけんで決めよう!ジャンケンポン!」

笑い声と煙が立ちのぼり、賑やかな食卓となりました。

食後の片付けを終えると、夜はキャンプファイヤー。
火を囲んで歌ったり踊ったり、大きな声を出して盛り上がります。

そして最後は定番のマシュマロ焼き。
甘い香りととろける食感に「おいしい~!」と笑顔があふれました。

こうして、仲間と過ごす最後の夜は、思い出深いひとときとなりました。

10日目(8/6)
いよいよ最終日。

最終日の朝も、くじ引きで動物のお世話と調理サポートに分かれて取り組みました。

朝食のあとは、荷物整理やテントの片づけ。
自分たちが使った場所は、自分たちで片付けます。

「そっち持って、いくよー」
「こっちのテント終わったから手伝うね」
と声を掛け合いながら、テントを片づけました。

その後は川辺で水に手を浸したり、ツルのブランコに乗ったりしてクールダウン。

上サイトにあがって、10日間を共にした仲間と住所交換をしました。

「メールなどではなく、手書きで思いを伝えること」の良さについて話をしました。
この仲間たちとの交流を深めてもらえればと思います。

最後の昼食をとり、いよいよお別れ会。
スライドショーで10日間を振り返った後、1人ずつコメントを発表しました。

「初めての富士登山で不安だったけど、みんなと登れてよかった」
「ご来光やサイクリングなど色々挑戦できて楽しかった」

最後には、寄せ書きの色紙を渡しました。

こうして10日間の富士冒は幕を閉じました。

不安を感じても仲間と支え合うことで乗り越えられた経験は、これからの大きな力になるはずです。
この絆を大切に、またいつか再会して思い出話に花を咲かせられたら嬉しいです。

またねー!

今回のキャンプの実施概要はこちら
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投稿:目杉作田・堺