【実施報告】Satoyama me time-春-

Satoyama me time(サトヤマミータイム)は、富士山周辺の低山トレッキングや、里山の風景にひたるマインドフルネスな時間を通して、こころとからだをケアする1泊2日の女性限定プログラムです。


トレッキングをしやすい春と秋の年2回実施しています。
先日、5月10日(土)~ 5月11日(日)に春の回を実施しました。

土日の天気予報は、土曜日が雨、日曜日がくもりと、少々いまいちなお天気。
しかし、雨なら雨で、楽しめることがあります。
今回はお天気に合わせて、1日目と2日目の予定を入れ替え、里山での時間を少し長めにとる内容に変更しました。

朝、しとしと雨の里山。

だけど、そんな雨の日に雨音を聞きながら室内で過ごすのも悪くありません。
雨の日の木々たちは、いつもより色濃く映ります。
ゆっくりと体を起こすように、『自力整体(じりきせいたい)』でスタート。

自力整体とは、聞き慣れない人も多いかと思いますが、ヨガとストレッチの間のようなイメージで、“呼吸と体の重み“でツボや経絡を刺激し、自分の力で自分の体を整えていく方法です。プロのガイドに沿って、自分で体をほぐし、骨バランスを整えていきます。そうすることで、肩こり、腰痛、ひざの痛みが解消されていきます。

今回、教えてくれたのは、静岡県内で自力整体の教室を運営されている赤堀景子さん。holly timeという屋号で、活動されています。

体を動かす前に、参加者の体の悩みをヒアリング。肩こりなど、気になるところを聞いてもらい、効果的な動きを重点的に取り入れてもらいます。

その後、部屋の電気を消して、窓から入ってくる自然光と、雨の音、自然の音を感じながら、静かな空間で体をほぐしていきました。

体がほぐれたら、今度は鹿革クラフトの時間。ホールアースでは、富士山麓ジビエという名で、狩猟や解体、精肉したジビエの販売、狩猟文化を体験できるツアーや鹿革を活用したクラフトのワークショップを行なったりと、山の恵みである鹿肉・鹿革を活かした活動を行っています。今回使う鹿革も、富士山麓で獲れた鹿の皮を東京の鞣し工場で加工してもらったものです。

そして、今回作るアイテムは、ロールタイプの小物入れ。ペンケースとしても使えますが、スプーンやフォークを入れるカトラリーケースとしても使えます。なので、完成した作品は、スプーンを入れて明日のトレッキングに持ち運びます。

はじめに、何種類もある色の中から、自分の好きな革をセレクト。同じ革でも、個体によって革の厚みや質感が異なります。少々傷がついているのは、野生で育った証拠。傷を避けずにあえて残す方が、かえってかっこいい。

鹿革クラフトは、Satoyama me time担当の私自ら担当。以前、アパレル業界でオーダーメイドのモノづくりをしていたので、その経験を活かし、革小物のデザインもしています。初心者でも作りやすいように、直線が多い型紙で、構造もシンプルにしました。

裁断まで終わったら一旦お昼ごはん。しっかり休憩して、午後も続きのカトラリーケースに取り組みます。

午後の時間。

皆さん時々おしゃべりしながら、でも、集中して無言でひたすら作ることに没頭する時間も楽しんでもらいました。革の色だけでなく、糸の色も数種類あるのでさらに悩みます。糸の色が違うだけで、できあがりの雰囲気が変わってきます。

指先を使い、集中力も使うので、おやつの時間に糖分を補給。おやつは近くの柚野商店で購入できるamaiteさんの紅茶のシフォンケーキ。甘いものは体に沁みます。

さて、夕方近くなって、いよいよ完成が見えてきました!最後に、ロールする時に必要なひもを取り付けて完成です(ここでも悩みます笑)。

完成!!

お互い見せ合うと、「これもいいね!」「これもかわいい!」とそれぞれの個性が見えてきました。

この中に、カトラリーを入れて、明日の山に持っていきます。

いつの間にか雨はやみ、夕飯の時間。Satoyama me timeでは、野菜が多めのメニューにしています。季節の野菜を中心に、夕ご飯だけでも11種類の野菜を使用。スパイスが効いた煮込み料理と、バルサミコ酢ドレッシングのサラダ、野菜たっぷりのコンソメスープ、そして、低温調理器で作ったしっとり柔らかなローストビーフならぬローストディア(鹿肉)。

おなかいっぱいになっても、ヘルシーなものしかないので嬉しいです笑。
お風呂に入ったら、明日に備えて早めに就寝です。

翌朝。

Satoyama me timeでは、朝ごはんにもこだわりが。今回は豪華にイクラとニジマスの親子丼。富士宮市では、富士山の冷たい湧水を使ったニジマスの養殖が盛んで、美味しいニジマスを手に入れることができます。白糸滝養魚所さんで購入させていただきました。イクラって、今まで好んで買うことがなかったのですが、ここのイクラは本当につやつやしてプリプリで美味しくて、ひとくちひとくちじっくり味わいたくなります。ニジマスのべっこう漬けも、臭みが全くなく柔らかくてとっても美味しいです。その他、ホールアースで育てているニワトリの卵を使った卵焼きと、ホールアース農場の野菜&富士宮の老舗豆腐店「和田とうふや」の湧玉豆腐を入れて自家製手作り味噌で味付けした味噌汁も一緒に食べてもらいました。

朝食後は、山頂で食べるサンドイッチ作り。パン屋さんの美味しい食パンに、ズッキーニのグリル、厚切りベーコン、キャロットラペ、ホールアースのニワトリのゆで卵などたっぷりはさんで…

クッキングペーパーで包んで半分に切ると…具沢山のサンドイッチの完成!

そして、いよいよトレッキングへ!今回は、車で1時間程移動し、山梨県の精進湖(しょうじこ)のほとりにある標高1,328mのパノラマ台に登ります。スタート地点の標高は914mなので、標高差は約400m。道は狭いところもありますが急登はなく登りやすい山です。子どもからお年寄りまで、様々な人が登っています。また、気軽に登れて富士山が眺められるということもあってか、外国人の登山者も多いです。さらに、わんこを連れて登る人もたくさん見かけます。

ほとりに着いたら、準備をして出発!…の前に、富士山を見ながら自力整体でストレッチ。登山前に体をほぐします。

体がほぐれたところで、トレッキングスタート!
新緑が美しい季節です。

ところどころで、小さな植物を発見。ギンリョウソウも咲いていました。ギンリョウソウは、別名「ユウレイソウ」。真っ白なのが特徴で、光合成をしない代わりに菌類と共生しています。

1時間程歩いたところで、長めの休憩。眼下には、富士山と精進湖が見えました!昨日は雨でしたが、今日はバッチリ富士山が見えて、本当によかった…

ここで自力整体をするのも気持ちがいいですね。

新緑や鳥のさえずりの美しさに浸りながら、歩き続けます。おしゃべりも楽しいですが、しゃべらずに自分の世界に浸るのも、いいですね。

さて、そろそろおなかがすいてきた…山頂まであと少し…

到着!

眼下には、富士山と青木ヶ原樹海、遠くには西湖など、「パノラマ台」というだけあって、見晴らしがとってもよかったです。空には雲が広がってはいるものの、富士山の全景はバッチリ見ることができました。

さて、待ちに待ったお昼ごはん!朝作ったサンドイッチだけでなく、山頂で簡単クッキング。ウインナーや、冷凍しておいたブロッコリーとヒラタケを炒め、小麦粉をまぶし、豆乳、水を入れて煮立ったらコンソメで味付け。あっという間に豆乳スープのできあがり!昨日作ったカトラリー入れも合わせて記念にパシャリ。

おなかを満たし、富士山の景色を満喫し、下山の時間になりました。下山はあっという間。サクサクと降りていきました。
精進湖に戻り、クロージング。コーヒーを飲みながら、2日間をふりかえりました。

「自分を大切にする」ということは、自分の気持ちに耳を傾けて、その気持ちを認識するということから始まるんじゃないかと思っています。毎日忙しくて、疲れていることに気づかなかったり、頑張っている自分を認められていなかったり、「こうしたい」より「あれしなきゃ!」が多くなってしまっていたり。いつの間にか、自分の気持ちが置き去りになってしまっていること、ありませんか?

自分は今、どんな感情を持っていて、どんな時間を過ごしたいのか。そんなことを考えるのにも、たぶん体が疲れ切っていると、なかなか耳を傾けることができないかもしれません。美味しいものを食べること。凝った体をほぐすこと。何かに没頭して日常のあれこれから頭をリセットすること。自然の中に身を置くこと。そんなふうに、ゆっくりチャージしながら、大切にしたいことを大切にできる、そんな日常につなげてもらえたら嬉しいなと思います。

Satoyama me timeは秋も開催します。詳細は、決まり次第更新していく予定です。Instagram等をご確認ください!

担当:小野