みなさんこんにちは、ホールアース自然学校の松尾です。
富士山麓にもようやく冬らしい冬がやってきて、
雪化粧をしたおなじみの富士山を楽しむ季節となりました。
さて今回は、そんな冬の富士山麓にて開催される
「東アジア~タネが生み出す地域の未来~」
という事業のご紹介をします。
この事業は、一般社団法人アクト・ビヨンド・トラストに助成を頂くことで実施するプロジェクトです。
「空と海でつながり、国境を越えた環境課題と文化的共通性の多い東アジアで、市民同士が自然と共生する知恵や経験を持ち寄って持続可能な未来をともに築く――。」
(同法人HPより引用)
同法人はこうした考えにもとづき、日中韓台の4地域が対話を通して交流を深める「東アジア地球市民村」の開催や、中国・雲南省地域におけるエコツーリズム活性化の仕組みづくりなど、具体的な課題を軸に"草の根の協働"を後押ししてきました。
今回、この助成を受けてホールアース自然学校が掲げたテーマは、「種」です。
多くの工業製品がグローバル化・規格化によって効率的に流通されている現代において、私たちの食の根幹をなす「農作物のタネ」もまた、工業製品のごとくグローバル化・規格化が進んでいます。このことは、農作物の安定供給の一翼を担っていると捉えられる反面、生物多様性や地域の食文化の喪失とにもつながります。
一方、「農」の現場では、日本のみならずアジア各地の農山村で農業を営む農家が、効率性と地域性の間で日々の生業に対面しています。特に在来種や固定種については、地域農業のアイデンティティや生物多様性の視点等からその意義は広く認められているものの、実際には「食べにくい」「売りにくい」「手間がかかる」といった問題を抱えています。
こうした社会情勢や現状を前にして、ホールアース自然学校として何ができるのか?
その答えの一つとして、"当事者として、グローバル時代における地域性や多様性の意義を再定義し、地域資源の魅力を発掘・発信する人材の育成が必要だ"という結論に至りました。
その具体的な第一歩が、2018年12月21日から25日にかけて開催される本イベントとなります。
中国・台湾・韓国・日本の4地域の研究者や実践者(生産・加工・流通・飲食提供など)の方々にお集まり頂き、
在来種について、東アジアにおける共通の現状・課題の認識から、それぞれの地域での実践事例の紹介、そしてそれを受けて具体的な「出口(活用事例)」を探る5日間となります。
なお、こうした意識の高まりが具体化・社会化していくにあたっては、新鮮な情報が活発に交換され有機的な議論が行われる「プラットフォーム」と、現代社会のニーズに合った形での市場への「流通」がキーポイントになると考えます。
これらを踏まえて、「種」というテーマを深掘りすると同時に、以後の水平展開や社会化を見据えたスタートアップの場としても機能させていきたいと思います。
本イベントについては、事中及び事後においても情報発信や報告を行っていきますので、ご覧頂ければと思います。
【参考URL】
一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト https://www.actbeyondtrust.org/
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