9月に入り、朝晩は気温もぐっと下がる日が続き、夜にはスズムシの鳴き声があちらこちらから聞こえてくるなど湖南町もすっかり秋めいてきました。
そんな中、今日からの3連休は猪苗代湖畔でのサバイバルキャンプを行っています!
今年の春の初級編に続き、中級編の開催。
今回は"ものづくり"と"地図読み"の2つをテーマにしたプログラムを中心にお送りします。
集合場所もいつものまちなかではなく、いきなり猪苗代湖畔に。
そして湖畔には自分たちが泊まるテントがずらりと並んでいます。
そんな中、ぞくぞくとサバイバル挑戦者たちが集まってきました。
集まって最初は自分の名札とバンダナを作ります。
そして『サバイバルの第1歩はフィールドを知ること』のもと、キャンプ地周辺をみんなで歩きながら自分たちの拠点のことを知る時間を取りました。
周辺の紹介が終わる頃にはちょうどお昼ごはんもできあがったので、さっそくご飯の時間としました。
秋晴れの気持ちの良い中、キャンプ最初のご飯をみんなで楽しく頬張ります。
しかし、この時はまだみんな知りませんでした、この食事で最後になるものがあることを...
ご飯を食べた後の片付けは、自分の食器は自分で片付けるのがキャンプでの基本です。
そしてその片付けの方法にはホールアース流のこだわりがあります。
普段ならば食べ終わった食器をそのまま流しに持っていって、洗剤を使ってごしごし洗ってしまいがちですが、
そうすることで環境への負荷がかかり、また下水へ流れていった汚れた水を知らない誰かががんばってきれいにしてくれています。
特に今回のキャンプ地は目の前が猪苗代湖で、自分たちの流した水が直接湖に影響を与えてしまう可能性も...
キャンプ中はそんなことに配慮し、流しに行くまでに一手間二手間をかけ食器を片付けます。
まずは食べかすをできるだけ少なくなるように食べ、それでも残ったものはゴムベラで食べかすをきれいに落とします。
そして使わなくなった服の切れ端(=ウェス)で皿についた油汚れを取り、洗剤の代わりに米のとぎ汁(または重曹を溶かした水)で食器を洗います。
少し手間のかかるやり方ですが、みんな上手に丁寧に自分の使ったお皿を片付けてくれました。
片付けの後は、始まりの会の時間です。
このキャンプに参加するみんなの自己紹介、キャンプのスケジュールや約束事の確認、キャンプ中に出会うかもしれない危険生物についての説明をしました。
自己紹介も終わったところで、まずはみんなで思いっきり体を動かそうと近くの森へ遊びに行きました。
みんなで走り回ったり、森の中にある生き物たちの落し物を探しながら楽しい時間を過ごしました。
(スタッフたちにとっても子どもたちと一緒になって思いっきり遊ぶ最初の時間であったため、本気になって走り回ったりした結果、写真がほとんど撮れずに終わってしまいました、ご了承下さい。)
ひとしきり遊んで拠点に戻ると、重大発表が。
お昼にみんなが使った食器はこれでお役御免となります。
そして、今日の夕食に使う食器は、これから自分で作るのです!!
ということで、竹を使ってお椀、皿、箸、コップの4点セットを手作りします。
それぞれ作り方のレクチャーを受け、作業開始です。
竹を切って、割って、削って...
もちろんそのためにはノコギリ、ナタ、ナイフ、カッターなどの刃物を使うことが必要となります。
子どもたちにとって、普段は『危ないから』使ってはいけないものとされがちなのが刃物です。
もちろん、使い方を間違えれば自分や他人を傷つけてしまうものでもありますが、逆に上手に使うことができれば色んなものを『自分で作る』ことができます。
上手に使えるようになるには、その危険さと使うことへの自覚を持つこと。
子どもたちはそんな話を真剣なまなざしで聞いてくれ、実際に使う際もみんなで協力しながら、安全第一に作業を進めていきます。
みんな作業に没頭し、気がついたら日没近くの時間になっていました。
それだけ長い時間をかけて完成した手作り食器がこちら!
全員無事に4点セットが完成しました。
がしかし、安心したのもつかの間、みんなにはもう一つやらねばならぬことが...
このサバイバルチャレンジ【中級編】では、【初級編】で学んだ火起こしにも取り組んでもらいます。
そのため、火の起こし方を身につけなければなりません。
そして、自分たちで起こした火を使って、毎日ご飯を炊いてもらいます。
おいしいご飯が食べられるかはみんな次第です。
今日の夕飯については火起こしのレクチャーがてら、僕の方で火を起こしてご飯を炊きました。
いよいよ明日からは自分たちで作る番...今から楽しみにしています。
ご飯が炊けた頃にはあたりは真っ暗に。
それぞれライトをつけながら食卓に付き、夕ごはんの時間です。
空に満月が浮かぶ中、最小限のライトで、自分たちで作った竹食器を使ってのご飯。
まさにサバイバルキャンプというこの光景がなんともたまりません。
食器が竹に変わっても、食べ終わった後の食器の片付け方法は変わりません。
みんなしっかりと片づけまでやってくれました。
夕ごはんの後は、楽しみにしていた子も多かったナイトハイクの時間です。
昼間遊んだ森に行き、今度は夜の森でしかできない実験や体験をいくつか行い、自然の不思議、身体の不思議を感じてもらいました。
初日から盛りだくさんの1日を終え、今はそれぞれのテントでみんなぐっすり眠っています。
明日は地図を使って湖畔の周辺を探検します。
果たしてどんなチャレンジが待っているのか、明日へ続く...
ホールアース自然学校福島校
キャンプ長 たるる
今回が初めての野外テントキャンプですが、しっかりやっている様子がうかがえてほっとしてます。本人曰く「この試練が終われば天国のようなご褒美が待ってる」と言ってましたが、
「この試練?」が、「ずっと終わらないでほしい楽しい時間」に代わることを確信しています。どうぞよろしくお願いします。