STORY01
安心できる居場所と、失う悲しさ
新潟市に生まれ、小さい頃から親に連れられて川で遊んだり、山に登ったり、海で釣りをしたり、ザリガニを捕まえたり、自然の中で遊ぶことが家の周りに当たり前にありました。
小学校の時に、夏休みの自由研究として裏の公園で蝶々を捕まえ、その羽を使って標本を作ったら、翌年から蝶々の数が激減していて、子どもながらに自然は無限ではなく有限なんだということを学んだと同時に、ものすごいショックを受けたのを覚えています。
子供の頃から、自転車でいろんなところに出かけるのが好きでした。
知らない場所に行ったり、面白いことを自分で発見することに楽しさを覚えていました。
自転車での遠出は、自分にとっては小さな冒険でしたが、その冒険や挑戦には、いつもそばに安心できる仲間がいました。高校2年生の時には、仲間と新潟から仙台まで自転車で行くことを企てました。ママチャリの仲間もいた為、往路であまりにも疲れ、復路はバスで帰ってきたのはかなりの敗北感でした。
自分の家の周りには、かつて田んぼがあり、自然も多く残っていましたが、自分が成長するに従い街の開発が進み、自分が高校生になった頃には家の周りが多数の大型チェーン店で溢れる場所になってしまいました。同じようなお店が、いくつも近くにあることに違和感を感じ、家の周りに安心できる場所がなくなっていることに気づきました。それと同時に、自然が自分自身に安心感を与えてくれていたことに、自然がなくなったことではじめて気づきました。