対象:職員/スポーツチームビルディング、対話型ワークショップ
対象:職員/対話型ワークショップ、たき火ダイアログ、アウェアネスプログラム
対象:職員/たき火ダイアログ、アウェアネスプログラム
対象:職員/課題解決ゲーム、対話型ワークショップ
対象:園長、主任/ファシリテーション研修、対話型ワークショップ
対象:職員/課題解決ゲーム、会議力アップ研修、コミュニケーション研修
対象:教職員/ファシリテーション研修
対象:職員/対話型ワークショップ、アウェアネスプログラム
対象:中堅社員、新入社員/スポーツチームビルディング
対象:新入社員/スポーツチームビルディング、CSR研修
対象:教職員初任者/コミュニケーション研修
対象:海外研修員/環境教育・エコツーリズム研修
左から、社長室人事部兼次世代メディア開発室:竹内大樹氏、社長室人事部副部長:平尾由佳氏、つなラボ:遠藤亮
――「つなラボ」の研修の特徴はどんなところだと思いますか?
研修の中で人と人の距離感を近づけるための工夫をたくさん用意してくれていることですね。例えばニックネームで呼び合うといったことは小さなことなんですが、そういうはじめの一歩を丁寧に大切にしてくれているという印象があります。参加者は最初仕事をする人と仕事する人という接し方でしかないんですが、このような小さな積み重ねをすることで、屋外でのアクティビティや室内でのワーク中に仕事では見ることができない一面が見えてくる。
その人の個性を共有できて、多面的にその人を見られるようになるのは大きいと思います。そもそもロケーションがすばらしいので、研修場所についた瞬間に「わーっ」ってなります。
自然が参加者の心を開いてくれるということもあると思います。仕事場と物理的に寸断されている環境を用意することも意識していて、そのような中で参加者のいろいろな面が見えてくると思うんです。
はじめの一歩を丁寧に
――仕事面以外の部分、より全人格的にその人をとらえられるようになると、関係性を深めたり信頼感を高めていくことができますね。このあたりは私たちの研修では意図的に組み入れています。これはチームの中でその人自身が認められるということであり、関係性の変化という意味では大きな影響を与えると考えています。
会社の規模や特徴もあって、どうしても縦割りの組織になってしまうのですが、年代別の研修などではこの横のつながりができることも大切ですね。仲間がいるんだという安心感を感じられることは職場で孤立しそうになったときにも大きな支えになります。とくに新入社員などはまだまだ周りが見えていないので迷いや悩みが自分だけではないんだと感じられることは、このような研修の大きな効果だと思います。
また中間管理職向けの研修ではそれとは違う効果もあります。縦割りの組織に横ぐしが刺さることで部署横断的な仕事の成否も大きく変わってくるんですね。普段接しない部署の人と接することで、自分の部署だけでなく他の部署の視点を持つことは、これからのマネジメント層に求められてくると思います。一方的に仕事を押し付けるのではなく、納得しながら共感しながらやっていく。そういうコミュニケーションを研修を通して学んでもらえるといいと思っています。
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先ほどの話に通じるところもあるのですが、アクティビティの後に必ずふりかえりの時間があることもとても効果的だと感じます。忙しい仕事生活の中では、なかなか自分自身と向き合うことができなくて。定期的に自分自身のことや周囲のことについて振り返ることが大事だと思うのですが、ついつい忘れてしまいがちです。
研修を通して、実体験とふりかえりの重要性を再発見することは仕事における俯瞰力を高めることにもつながると考えています。自分だけの視点で自己完結するのではなく、今回の研修のようにアウトプットするというのが大事ですね。そのことによって様々な意見や視点を共感的にとらえることができるようになると思います。 自分のことだけでなく会社が何をしようとしているかを含めて俯瞰的な視点で仕事を進めていくことは、社会人として求められる能力です。そのためには立ち止まる瞬間が必要で、一歩引いてみて軌道修正していくことが大切です。
立ち止まる瞬間
そもそも自然の中で研修を行うということもそうですが、用意していただいているアクティビティが私たちの想定外、想定を超えているものであることもいろいろな気づきにつながります。例えば目隠しして全員で一列に並んだりするアクティビティですね。臨機応変な対応力が求められますし、その人の持つ意外な一面が見えたりします。
自然の中で活動することは非日常なことですが、その非日常で得たことと日常の仕事生活をうまくつなぐ投げかけをしていただけたこともよかったと思っています。やはりいつもの仕事現場だけではとれないコミュニケーションがあります。場所を変えて気持ちの良い自然の中で、リフレッシュしながら学びにつながっていくのはいいですね。
――これまでやってきたスポーツチームビルディング以外にも何かやってみたい活動などはありますか
自分自身の生活をつくるような、例えばテントを一人で建てて一晩過ごすといったアクティビティは取り入れてみたいです。生きる力を育むような内容は防災にも通じますし、強制的に仕事以外の一面を見せざるを得ないですしね。マインドフルネスがはやっていますが、一人になって自分の空間をつくることは、日常を振り返る上で大事だと思います。
あと食事も大事です。研修に来ておいしい食事を食べることも大事ですし、できたらそれらも自分たちの力でつくれるといいと思います。そういう意味で、地元食材を生かした「ピザづくりプログラム※」などのアクティビティはぜひやってみたいですね。自分たちの考えをアウトプットしたり、プレゼンしたりするのはとてもいいと思います。
※ピザづくりプログラム
チームごとに、地元野菜を活かしたピザづくりを行い、味や見た目だけでなく何をコンセプトにしたのかなどをプレゼンテーションする能力も総合的に評価して競うアクティビティ
――これからは社員が持っている潜在能力を主体的に発揮していけるような環境づくりが大切だと感じていますが、御社ではどのようなことを重視されていますか?
これだけ世の中にいろいろな情報があふれるようになると、それらの情報の中から的確に必要なものを取り出し、仕事として組み立てていく力が必要になると考えています。
そのためには指示されたことだけをするのではなく、常に自分事としてとらえることがポイントになると思います。言われたからやるではなく、自分事としてとらえ、自分で調べる、そしてそこから取捨選択していくことが大切です。こういうところから自発性や主体性は育まれるのではないでしょうか?
少し視点は変わりますが、自分の会社のことを好きかどうかというのは関係してると思います。こういう職種が好き、このメンバーと一緒に仕事をするのが好きなど、いろいろな好きがあると思うんですが、会社が好きだからこの会社を続けさせたい、自分もがんばりたいという気持ちが生まれてくるのではないかと思います。
あとはチャレンジできる環境ですね。失敗してもいいよという風土があると、自発的にこんなことやりたいっていう意見が出てくるんじゃないかと思います。そのためには上司部下のコミュニケーションが大事になりますね。自分の中でもんもんとして外に出せないでつぶれていってしまうというのもあるので。
主体的なチームの始まり
――つぶれていってしまうという話がありましたが、主体性が発揮できる環境づくりということでは、チーム内に安心感を育むことが大切だと考えています。安心できる環境ではそれまで内向きだった人のエネルギーが、他者やコミュニティといった外向きに広がっていきやすくなります。
最近の傾向として、私たちの会社でもメンタルヘルスの問題は大きくなっています。昔もいたんでしょうけど言えなかったのか、今は言える雰囲気になっているのかはわからないですが、距離感が難しいですね。まずは所属する職場の中で孤立しない環境をつくることが大事だと思っています。安心感というところまではいっていないかもしれませんが、まずそれぞれの所属するチーム内で孤立せず、安心感を感じられる環境をつくっていきたいと思っています。
しかし、所属するチーム内ではそのようなサポートや支え合える環境がなかなかつくれないことも多いと感じています。そういう場合でも私たち人事部が最後の砦として「ちゃんと見てるよ」ということを意識的に伝えたいですね。誰か一人でも見ていてくれる人がいる、会社の中によりどころがひとつはあるという感覚はとても大切だと思っています。
安心感を感じられる環境
学校法人柏崎二葉学園園長:川本浩子氏
――「つなラボ」の研修の特徴はどんなところだと思いますか?
幼稚園では職員研修だけでなく、子どもたちの野外活動でも「つなラボ」のみなさんにお世話になっていますが、スタッフ同士の関係性がすごくいいなぁと感じます。うらやましいな、私もあんなチームで働きたいなぁというのが正直な気持ちです(笑)。
世の中にはいろいろな仕事がありますが、一人ではなく組織である以上人と人の関係性は重要なテーマになるはずです。「つなラボ」の研修は、単なるスキルではないメタスキルともいえる「関係性」に注目したメニューがあることが特徴だと思います。
みんなの力を集める
――研修を依頼した理由はどんなところですか?
私の場合突然のポジション変更で園長になったこともあり、本当にいろいろなことが大変でした。基本的に私は勝ち気な性格で周囲に弱みを見せられないし、間違うことは恥ずかしいなどの意識があって、自分でなんとかしようともがいてしまうんです。
でも、結果的に自分だけでは何もできないんだということを痛感しました。そうなると職員みんなの力を集めてものごとに対処していくしかないですよね。全員の力を集めるという考え方やそのための土壌がないと感じていたので、職員間の関係性を深めるための研修を段階的にお願いしたいと思いました。
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――研修を受けて、職員さんにはどんな変化がありましたか?また、その変化のきっかけはどのようなところにありましたか?
チームの中に安心感を育むことや違いを認めあうということは、大きなポイントになったと思います。それまで園ではそれぞれの職員がそれぞれのやり方でがんばっていて、それはそれで大切なことですし一定の成果もあがっていたと思っています。
しかし、そもそも職員はみな違う個性を持っていて、強みだけでなく弱みもいっぱいあるんですよね。その弱みを隠すようにしながら、見せないようにしながら孤軍奮闘でがんばっているような感じがあったんです。研修を受けてそれぞれの個性を認めあうことができたとき、全部を自分でやらなくてもいいんだ、もっと周りに助けを求めていいんだという意識が生まれてきたと思います。職員がもっている個性がうまくかみ合って、お互いを支え合える時、チームの力は高まるんですよね。
助けを求めていい
――私たちは幼稚園や保育園に限らず、これからのビジネス環境では、職員・社員が持っている潜在能力をいかんなく発揮して進化する組織になっていくことが、生き残りのひとつのカギになると考えています。自主的な職員や主体的な職員を育てるという意味で、二葉幼稚園ではどのようなことを重視されていますか?
おっしゃる通り、幼稚園・保育園業界にも第3の波と言われる大きな変化の波がやってきています。非常に危機感を持っている園長先生が多いと思いますが、この大きな変化に対して、その対応が大きく二極化しているなと感じています。
ひとつは今までうまく回ってきたこれまで通りのやり方を継続していこう。もうひとつが大切にしてきたものは守りながらも、新しい時代に合わせて変化、適応していこうというふたつの対応です。どちらが正しいかはわからないわけですが、前者の考え方に立つとなかなか職員の主体性を発揮するということが難しくなるように感じます。むしろ昨年度までうまくいってきたんだからと受動的に仕事をするスタイルがこの業界はけっこう多いというのが私の感想です。ただ私たちはどちらかというと後者の考え方で、職員が主体的に、自主的に活動をすることによって新しい時代に適応していきたいと思っています。
これからの時代に保護者からも、子どもたちからも、そしてそこで働く職員の先生方からも選ばれる園になっていきたいんです。
同じような考え方を持つ園長先生でも「若いスタッフが言われたことしかやらない。なんでもやっていいと言ってるのに…」という悩みを抱えている人は多いんですね。自分自身の園のことも含めて、職員の主体性が発揮されないことにはなんらかの原因があると思うんです。
職員の個性が保育の現場で発揮されているかどうかは、子どもたちの個性を伸ばすことに関わっている幼稚園・保育園だからこそ、とても重要なことなんですよ。
先ほども少し話しましたが、失敗してはいけない、間違ってはいけないという思いがすごく強くて、それは園全体にあった雰囲気だったと思います。それが職員の主体性が発揮されない原因になっていたと思います。
――「子どもたちの個性を伸ばす」ということを、ビジネスの対象となる顧客の満足や成長と考えるなら、これは幼稚園や保育園だけの話ではなく、どの会社組織にも当てはまることですね。その会社内の組織の関係性やメンバーがつくり出している雰囲気は、いやでも外部の顧客にも伝わっていくものですからね。
内部ではもちろんそんな雰囲気が感じられるので、いくら言葉でなんでもやっていいと言っても出てこないし、主体性が発揮できない環境ができてしまうのかもしれません。
本来主体性や自主性というものは誰かによって発揮させられるものではない。引き出されるものというよりは、あふれ出てくるものです。そのための環境づくりが大切だと思うんですよね。
主体性は溢れ出るもの
そもそも個性というのは違いだという話も印象的でした。個性や多様性という響きのよい言葉ではなく、それぞれが持っている違いを相手を排除するためではなく、認めあうことができれば、メンバーの存在をありのままに受け止めることができます。そして、そのためには自分自身の個性というのも認めてあげる必要があるんですよね。
私自身を含めて他者からの期待にこたえたいという気持ちを持っている私たちは、ここがけっこう難しいということも研修を通して感じることができました。様々な個性を持っているチームのメンバーの存在に感謝できてはじめてチームの中の関係性が変わり、そこから職員の主体的な行動が自然に出てくるようになると思います。
幼稚園業界も変化の荒波にさらされています。変えてはいけない大切なものは残しつつも、新しい時代に合わせた新しい園に生まれ変わっていく必要があるんです。そのためには今ここに集った職員の能力があふれ出る環境をつくることが大切だと思っています。
個性は 違い
――これからどのようなことに挑戦していきたいですか?
大人の成長の場があることが、子どもの成長につながっていくと思っています。だからこそ、まずは私たち職員の間で成長し合える環境をつくることにもっともっと取り組みたいと思っています。時間はかかると思いますが、職員と子どもたちが成長していける、みんなの個性が輝いている、そんな園をつくっていきたいですね。