企業と共に歩む理由 ホールアース自然学校の想い
NPO/社会セクターと企業の垣根を越えて
NPOのような社会セクターと企業が、互いの専門性を生かしながら、協働でビジネスを展開することは、もはや珍しいことではありません。
特に近年、社会課題にビジネスのアプローチで取り組む、いわゆる社会的企業(ソーシャルビジネス)が取り上げられるようになってからは、もはや企業だとかNPOだとかいう区分も、あまり意味を成さない時代になりつつあると感じます。
すなわち、大切なことは、相手が企業だから/NPOだからではなく、互いの得意分野とニーズをマッチングさせ、WIN-WINの対等なパートナーシップを築けるかどうか。
逆に言えば、私たち社会セクターは、自らの強みと弱みをしっかりと分析し、企業の皆さまに本当に喜んで頂けるリソースを提供できるかが、大きなポイントになります。
協働ビジネスを進める上では、互いに価値観や想いをぶつけあい、奇譚のないフィードバックや改善提案を出し合いたい。時には、私たちの至らない点を、どんどん指摘して頂ければと存じます。
皆さまと、より良い一歩を共に踏み出す、未来への関係性を育みたいと考えています。
実施してみて... 導入企業ご担当者様からのコメント
3万人の家族の絆
株式会社ホテルニューアカオ
リゾート事業部 リゾート課 マネージャー
山本泰宏さま
私共(株)ホテルニューアカオは、伊豆熱海錦ヶ浦の豊かな自然環境の中にホテルニューアカオとロイヤルウイングの2つのホテルおよびリゾート施設としてアカオハーブ&ローズガーデン、アカオビーチリゾートがあります。
私は夏休み期間のキッズプログラムが中心に、ホールアース自然学校のみなさんと自然体験プログラムの企画運営を担当しております。ホールアース自然学校とお付き合いを始めさせていただき今年で10年目となりました。
ホールアース自然学校のプログラムを取り入れる10年前といえば、"エコ"という言葉も今ほど浸透しておらず、商品として展開しているホテルはほとんどなかったように思います。私共もしかりで、せっかくの自然資産を所有しているにもかかわらず有効活用できていないのが現実で、せいぜい夏休み期間に社員がマメ知識のガイドツアーを行う程度のありさまでした。それは、商品としては程度の低いものであったと言わざるをえませんでした。
当時、企画室に在籍していた私は、とりわけ夏休み期間でもこの自然資産を活用し、高品質な商品を提案できないものかと考えておりました。たまたま、『ホールアース自然学校』のプログラムを体験したという社員がおり、また偶然にもホールアース自然学校は地元静岡芝川町(当時)にあるというので早速伺ってみました。
そこで、会社的な現実やテーマ、プログラム開始にあたって私なりのコンセプトをお話させていただきました。それは『楽しく学べる自然体験』『エンターテイメント型の自然体験』そして『家族の絆』をテーマにしてほしいというものでした。
堅苦しい環境教育や自然の美しさや大切さといった観念的な話をするのではなく、山や海の中で楽しみ、終わってみれば『自然っていいな』と子供たちが感じてくれる体感的なプログラム企画をお願いしました。 リゾートを生業とする立場の者はもっと違った角度から自然を子供たちに感じさせる必要があると私は思ったからです。
また、旅行は何のために行くのでしょうか?美味しい食事をすること、温泉で癒されること、文化にふれる・・など目的は人それぞれです。その中で夏休みの家族旅行の最終目的は『家族の絆』を感じることでしょう。
過去、多くのホールアース自然学校のスタッフとプログラムを作り運営してきましたが今でも『楽しく学べる自然体験』『エンターテイメント型の自然体験』『家族の絆』はいまでも変わらないコンセプトとなっています。
そして、ホールアース自然学校は見事に私の期待以上のものをお客様に提供してもらっていると言えるでしょう。これまで、10年間で延べ3万人の参加者を受けさせていただきましたが、1件の事故、1件のクレームもありません。これは、彼らが常にお客様と同じ目線に立ち、接しているからでしょう。
プログラムもひとつの商品です。物販商品とは異なり、私共ホテルのサービスは感動や思い出を提供するものと言えます。ホールアース自然学校のプログラムはまさにそれに値するものでしょう。おかげさまで、ニューアカオのリピーター様も多くおられ、彼らに毎年のように会いに来る子供たちがおります。
自然の中で輝く笑顔を絶やさないよう、今後もいっしょにがんばっていきましょう。